
プロジェクトの立て直し方|開発現場で実践する計画や体制の再設計とは?
プロジェクトを立て直すには、計画通りに進まない原因を整理して把握しゴールや計画、体制を見直すことが重要です。
スケジュールの遅延や要件変更、体制上の問題など、プロジェクトがうまく進まない原因は多岐にわたります。問題への対処だけを繰り返していると、状況が改善せず失敗につながる可能性もあるでしょう。
本記事では、プロジェクトを立て直すための具体的な手順やポイントを解説します。プロジェクトの失敗要因に関する独自アンケートも公開しているので、プロジェクト管理に悩みを抱えている場合は必見です。
プロジェクトが計画通りに進まない原因

プロジェクトが計画通りに進まない原因にはスケジュールや要件、体制などさまざまな要素があります。原因を特定しないままスケジュールを引き直したり、人員を追加したりすると、同じ問題を繰り返す可能性があります。
株式会社BTMが自社エンジニアを対象に実施したアンケートでは、「プロジェクトがうまくいかない要因」として下記の要素が挙げられました。
- 関係者間のコミュニケーションが不足している
- 実現性を考慮せずにスケジュールを設定している
- 要件や仕様の変更が頻発している
- 必要なスキルを持つ人材をアサインできていない
- チーム内の体制や役割が明確になっていない
これらの要因がいくつも重なると、プロジェクトの進捗や品質に課題が発生するようになります。
プロジェクトの立て直しには、何が起きているのか探るのと同時に、なぜ計画通りに進まなくなったのかまで確認することが重要です。
プロジェクトの失敗原因やチェックリストは、以下の記事で詳しくお伝えしています。失敗に向かっている兆候をいち早く捉えたい場合やアンケート結果を詳しく確認したい場合は、下記の記事をご覧ください。
関連記事:ITプロジェクトが失敗する5つの原因とは?92名の現場データから解説
プロジェクトを立て直す5つの手順
プロジェクトを立て直す際は状況に合わせて計画や体制を再設計することが重要です。計画が崩れたプロジェクトを再び動かすための5つの手順を解説します。
現状と問題を整理する
まずはプロジェクトで何が起きているのかを整理します。
予定と実績の差だけでなく、未完了のタスクや課題、リスク、必要なスキル、人員などを確認しましょう。また、問題が発生している箇所だけを見るのではなく、なぜ計画通りに進まなくなったのかまで確認することが重要です。
例えば、スケジュールの遅延が発生していても原因が作業量の多さとは限りません。要件変更の頻発や意思決定の遅れ、役割分担の不明確さなどが進行を妨げている可能性もあります。
現状と原因を整理し、立て直しに必要な対応を明確にしましょう。
ゴールと優先順位を再設定する
現状を整理したら、プロジェクトをどの状態までもっていくのかゴールを再設定します。当初の計画に沿うことを目標にすると、現実とのギャップがさらに大きくなる可能性があるでしょう。
何をいつまでに実現するのかを明確にし、納期や品質、予算などの条件を踏まえて現実的な到達点を設定することが重要です。
やらないことを決定する
立て直しの段階では、全ての計画を当初の予定通り進めようとしないことも重要です。残りのタスクを確認し、優先順位の低いものを後回しにしたり、必要に応じて中止にしたりする判断が必要になります。
限られたリソースでゴールを達成するためにも、何をしないかまで決定しましょう。
計画と体制を再設計する
ゴールと優先順位が決まったら、現在の状況に合わせ計画と体制を組み直します。その際、単純に納期を伸ばすのではなく作業の順序や担当者、必要なリソースも併せて見直しましょう。
プロジェクトを立て直すためにも、理想的なスケジュールではなく現在の状況で実行できる計画にすることが重要です。無理な計画を再設定すれば、再び遅延や炎上、コストの超過などが発生する可能性に留意しましょう。
また、計画を変更してもプロジェクトの体制が以前のままでは、問題が再発する可能性があります。PMやメンバー、顧客、ベンダーなど関係者の役割を見直し、誰が何を担当するのかを明確にします。
立て直し後のゴールを実現できる計画と体制を整えることが重要です。
関係者と合意して再スタートする
立て直しの方針が決まったら、関係者と内容を共有し合意を得たうえで再スタートしましょう。
変更したゴールやスケジュール、作業範囲、役割を曖昧なまま進めると、認識の相違が発生する可能性があります。そのため、当初の計画から何が変わったのかを伝えることが重要です。
関係者が新たな方針を理解し、認識を揃えたうえで再始動しましょう。
すでに納期遅延や品質問題などが深刻化し、プロジェクトが炎上している場合は通常の立て直しとは異なる対応が必要です。炎上プロジェクトの火消しについては、以下の記事で解説しています。
関連記事:炎上プロジェクトの火消しとは?立て直し時の注意点を整理
プロジェクトの立て直しに失敗しないためのポイント
プロジェクトを立て直す際は、目の前の遅延や問題だけに対応するのではなく再び同じ状態にならないための進め方まで考えることが重要です。
ここでは、立て直しを進める際に注意したい3つのポイントを紹介します。
元の計画に固執しない
プロジェクトの状況が変わっているにもかかわらず、当初の計画を維持するのは禁物です。元の計画に追い付こうとすると、現場に負担がかかるでしょう。
立て直しでは、その時点での進捗やリソース、残りの作業を踏まえて計画を見直すことがポイントです。
変更できる条件と守るべき条件を整理し、現実的に達成できる計画へ調整しましょう。
人員を増やすことで解決しようとしない
プロジェクトが遅延した場合、単純に人員を増やして解決しようとするケースは少なくありません。しかし作業の分担や役割が整理されないまま人員を増やすと、かえって現場の混乱を招く可能性があります。
人員追加が有効なのは、遅延の原因が明確で追加した人材が担当できる作業がある場合です。一方、要件変更や意思決定の遅れ、役割の不明確さが原因の場合、単純な人員追加では改善につながらない可能性があります。
人を増やす前にボトルネックとなっている作業やチームに不足しているスキルを確認しましょう。そのうえでプロジェクトに適した人材をアサインするのがポイントです。
立て直し後の管理方法まで決めておく
プロジェクトの再スタート後は、変更した計画通りに進んでいるか継続的に確認しましょう。
進捗や課題、リスク、変更事項などを確認する方法を決め、関係者と定期的に共有するのがポイントです。立て直し後に安定的にプロジェクトを進行できる仕組みの構築を目指しましょう。
社内での立て直しが難しい場合の対処法
プロジェクトの立て直しを社内で行うのが難しい場合、外部人材の活用も選択肢になります。
重要なのは、現在のプロジェクトに何が不足しているのかを整理することです。管理が不足しているのか、技術的な知見が必要なのか、ベンダーとの調整が滞っているのかによって必要な支援は異なります。
PMやPMOを活用する
プロジェクト全体の管理や調整が滞っている場合は、PMやPMOの活用を検討できます。
ただし、既存のPМとの役割分担や調整には注意が必要です。まずはPMが抱えている業務を整理し、進捗管理や課題管理、関係者との調整など分担する業務を明確にしましょう。
そのうえでプロジェクト全体を管理するPМが必要なのか、管理業務を支援するPМOのアサインが最適なのか判断します。
PM自身が複数案件を抱えている場合や、プロジェクト管理を担える人材が不足している場合は、社内だけでの立て直しが難しくなることがあります。PM不足の原因や解決策については、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:PM不足の原因とは?人材不足が招く問題と解決する方法を解説
外部のエンジニアや専門人材を活用する
プロジェクトの問題が管理体制ではなく技術やスキルの不足にある場合は、PMやPMOの活用では解決に至らないことがあります。
特定の技術領域を持つエンジニアのリソースが足りず作業が遅延しているのであれば、その分野に詳しい人材をアサインすることで迅速な解決が期待できるでしょう。
プロジェクトの立て直しには、必要なスキルを特定し不足を補うことが欠かせません。
外部の専門家へベンダー調整を委託する
プロジェクトの立て直しを図るにあたっては社内体制のみならず、開発会社やベンダーとの関係性や協力体制の見直しも重要です。
とりわけマルチベンダー体制のプロジェクトでは、役割分担や仕様、納期などの調整難易度が一層高まります。社内にベンダーコントロールのノウハウや経験が乏しい場合は、調整実績が豊富なPMやPMOといった外部専門人材の活用が有効な選択肢です。
外部人材を活用する際は、各ベンダーの役割や課題の整理、円滑な情報共有の推進を担ってもらいます。その際、外部に委任する範囲と社内で判断すべき意思決定事項をあらかじめ明確化し、自社の意思決定プロセスを補完・強化する形で運用することが成功のポイントです。
ベンダーコントロールの重要性やポイントは下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事:ベンダーコントロールとは?マネジメントとの違いや必要性、ポイントを解説
プロジェクトの立て直しなら株式会社BTMにご相談ください
プロジェクトの立て直しでは、問題の原因を整理したうえでゴールや進め方、体制を見直すことが重要です。一方で、社内だけでは状況を整理しきれなかったり、立て直しを進める人材が不足していたりするケースもあります。
株式会社BTMではプロジェクトの状況に応じて、PM・PMOやエンジニアなどを活用した支援を行っています。
「どこから手を付ければよいかわからない」「今の体制で立て直せるか相談したい」といった段階でも問題ありません。
現在の状況やお困りごとをお聞きし、必要な支援について一緒に整理させていただきます。プロジェクトの立て直しを検討している場合は、まずはお気軽に下記よりご相談ください。
