
ベンダーコントロールをやりたくないのはなぜ?5つの理由と対処法
ベンダーコントロールをやりたくないと負担に感じるのは、担当者の意欲やスキルだけが原因とは限りません。進捗確認や社内調整などさまざまな業務が重なることで、多くのリソースが割かれている可能性があります。
また、プロジェクトに関する責任まで一人に集中すると、ベンダーとの調整そのものを負担に感じることもあるでしょう。本記事では、ベンダーコントロールをやりたくないと感じる主な理由を整理し、業務範囲の見直しや負担を減らす方法、PM・PMO支援を検討すべき状況について解説します。
ベンダーコントロールとは
ベンダーコントロールとはシステム開発やITプロジェクトを円滑に進めるための取り組みです。具体的には、発注側がベンダーとの調整や進捗、品質、コストなどの管理を行います。
業務をベンダーに委託した場合でも、すべての対応を丸投げできるわけではありません。進捗の確認や課題への対応、認識のすり合わせなど、プロジェクトを進めるための調整が必要です。
適切に管理ができていないと、進捗の遅れや認識のずれ、問題の発見が遅れるなどプロジェクトに影響する可能性があります。一方でこれらの業務を情シスやプロジェクト担当者が本来の業務と兼務すると、負担が大きくなることも少なくありません。
ベンダー管理の具体的な役割や必要性については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:ベンダーコントロールとは?マネジメントとの違いや必要性、ポイントを解説
ベンダーコントロールをやりたくないと感じる5つの理由
プロジェクトを進めるうえで欠かせないベンダー管理には、ベンダーへの確認や社内調整など細かな対応が次々と発生します。
担当者がベンダーコントロールを負担に感じる5つの理由を解説します。
他の業務と並行していて時間が足りないため
企業によっては、通常業務と並行してベンダーコントロールを担当するケースがあります。
進捗確認や課題管理、社内調整などに時間を取られながら本来の業務に注力するのは、容易ではありません。とくにプロジェクトが大きくなると確認事項も増えるため、本来の業務とベンダーコントロールの両方を十分に行うことが難しくなる場合があります。
ベンダーへの確認や催促に時間を取られるため
ベンダーからの報告を待つだけでなく、進捗状況を確認したり、対応が遅れている事項を催促したりする必要があります。
例えば、以下の業務では継続的な確認が必要です。
- 予定どおり作業が進んでいるか
- 課題が解決しているか
- 次の工程に影響がないか
確認事項が増えるほど、ベンダーとのやり取りに時間を費やすことになり、負担に感じやすくなるでしょう。
専門的な内容を理解して判断する必要があるため
ベンダーから技術的な説明を受けた際に、内容を理解したうえでの判断を求められることがあります。
すべての技術に詳しい必要はありません。しかし、提案内容が自社の要件に合っているか、変更による影響がないかなどを確認する必要があります。
そのため、専門知識に不安がある担当者にとってはベンダーとの調整そのものが心理的な負担になることが少なくないのです。
複数のベンダーの調整が発生するため
複数のベンダーが関わるプロジェクトでは、それぞれの進捗や担当範囲を把握し、必要に応じてベンダー間の調整も行う必要があります。
例えば、一方のベンダーの作業遅延が別のベンダーの工程に影響する場合、双方の状況を確認してスケジュールを調整しなければなりません。関係するベンダーが増えるほど個別の進捗管理だけでなく、全体を見ながら調整する負担も大きくなります。
問題が起きるたび調整する負担が重いため
トラブルが発生すると、原因の確認やベンダーへの対応依頼、社内への報告、今後の対応方針の調整などが発生します。
さらに、問題が解決するまで進捗を確認したり、関係者への共有を続けたりする必要もあるでしょう。
このような問題が繰り返されると通常のベンダー管理に加えてトラブル対応まで管理することになります。その結果、ベンダーコントロールに追われていると感じやすくなるでしょう。
ベンダーコントロールをやりたくない場合の対処法
ベンダーコントロールをやりたくないと感じている場合、負担になっている理由を明確にすることが重要です。
やりたくない理由を明確にする
まずは、ベンダーコントロールのどこに負担を感じているのか整理します。
- 社内とベンダー間の調整に疲弊している
- 技術的な判断に自信がない
- 調整や判断が多く、技術から遠ざかっているためスキルが伸びている気がしない
このように、担当者によってベンダーコントロールを負担に感じる理由はさまざまです。
何を負担に感じているのか明確になることで、業務の改善ポイントが可視化されます。
ベンダーコントロールの業務を仕組み化する
ベンダーへの確認や進捗管理など、頻出する業務は仕組み化することで管理しやすくなります。
進捗報告のフォーマットを統一したり、課題管理表に対応期限や担当者を記載したりすることで、個別に確認する手間を減らせるでしょう。
担当者がその都度確認する体制から、決められたルールに沿って状況を把握できる状態に整えることがポイントです。担当者の経験や頑張りだけに頼らない仕組みを作れば、ベンダーコントロールの負担を抑えやすくなります。
社内で対応する業務と外部に任せられる業務を分ける
ベンダーコントロールにまつわる全ての業務を社内で対応する必要があるとは限りません。
プロジェクトの最終決定や優先順位の設定といった自社主導で行うべき領域と、進捗の把握や課題整理、ベンダー間調整などの外部に頼れる領域が存在します。
まずは担当している作業を洗い出しましょう。そのうえで、自社で担う判断業務と外部へ委託可能な調整業務を整理して切り分けることがポイントです。
ただし、過度に外部へ依存するなど把握すべき情報や重要判断まで委ねてしまうのは禁物です。丸投げが続くと、ベンダーへの依存を強める恐れがあるため注意しましょう。
ベンダーへの依存が高まると起こりうる問題については、下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事:ベンダーロックインの原因と対策|依存を防ぐ進め方とは?
担当者の業務範囲を見直す
ベンダーコントロールの担当者に業務が集中していないか確認しましょう。
万が一、ベンダーとの窓口だけでなく以下の業務まで一人で担っている場合、担当者の負担が大きくなるのは避けられません。
- 進捗管理
- 課題管理
- 社内調整
- 技術的な判断
- トラブル対応
担当者一人で抱え込むのではなく、負担を分散できないか検討しましょう。社内で役割を分担したり、必要に応じてPM・PMOなどの外部支援を活用したりすることで、負担を分散できる可能性があります。
PM・PMO支援の導入を検討すべき状況のチェックリスト
業務範囲を見直しても担当者の負担が大きい場合、社内の人員だけで対応し続けることが難しい可能性があります。 とくにプロジェクトの規模や関係者が増え、担当者が複数の役割を兼務している場合は注意が必要です。
以下のような状況に当てはまる場合は、PM・PMOなどの外部支援を活用することも選択肢になるでしょう。
- ベンダーへの確認や催促に多くの時間を割いている
- 複数のベンダーが関係しているため、調整が複雑化している
- 大規模な案件にも関わらず、進捗や課題の管理まで一人で行っている
- 他の業務とベンダーコントロールを両立できていない
- ベンダーからの報告内容を整理するのに時間がかかっている
- プロジェクトの問題が発生するたびに担当者が対応している
- 技術的な内容について判断を求められる場面が増えている
- 社内の関係者への報告や調整まで担当者が担っている
- プロジェクト全体の状況を把握することが難しくなっている
- ベンダーコントロールを担当できる社内人材が不足している
複数の項目に当てはまり、担当者の負担が一時的なものではなく継続している場合は、担当者個人の工夫だけで解決するのが難しいケースもあります。
業務の一部を切り出したり、PM・PMOを配置したりすることで、プロジェクト管理の体制そのものを見直すことも検討しましょう。
また、ベンダーコントロールができない状態になってからPM・PMOによる支援を検討する必要はありません。 本来の業務に支障が出ている、プロジェクト全体を把握しにくくなっているといった段階で早めに体制を見直すことも重要です。
PM・PMOによる支援でベンダーコントロールの負担を軽減
外部のPМ・PМOにベンダーコントロールを依頼することで、社内の担当者の負担を軽減できます。ここでは、外部に委託する場合のメリットやデメリットを解説します。
ベンダーコントロールを外部のPM・PMOに依頼するメリット
外部のPМ・PМOにベンダーコントロールを依頼することで、下記のメリットが期待できます。
- プロジェクトに最適な外部人材を活用できる
- 即戦力としてすぐにプロジェクトを支援してもらえる
- 専門知識をもとに客観的にプロジェクトを進めてくれる
- 品質管理を徹底しやすくなる
- 社内のリソースをコア業務に充てやすくなる
とくに社内のリソースが足りていない場合やすぐに活躍できる人材を探している場合は、外部のPM・PMOによる支援が最適です。
また第三者を間に挟むことで、客観的にプロジェクトを進行してもらえる点も外部人材を活用するメリットでしょう。
ベンダーコントロールを外部のPM・PMOに依頼するデメリット
外部のPM・PMOにベンダーコントロールを依頼する際に注意したいデメリットは、以下の通りです。
- 社内に専門的な知識やスキルが蓄積されにくい
- 社内と社外の役割分担が曖昧になりやすい
依頼したPM・PMOなしでは何も判断できないという状態を防ぐためにも業務の標準化等、属人化しない運用を徹底しているか確認しましょう。ドキュメントの整備など業務の可視化を行うPM・PMOであれば、社内にベンダーコントロールのノウハウを残せます。
なお、外部PM・PMOにベンダーとの調整業務を任せる場合、社内と外部人材の役割分担を明確にすることも重要です。社内の窓口や意思決定者を定めておくことで、責任の所在が曖昧になるのを防げます。
株式会社BTMのPM・PMO支援
株式会社BTMではご要望に応じたPM・PMOによる支援を行っております。プロジェクトの規模や状況に合わせて柔軟にご提案させていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。
また運用の標準化やドキュメントの整備等、属人化しない仕組みづくりの構築も得意としております。
「外部のPМに依頼すると、社内にベンダーコントロールの知識やスキルが蓄積されないのでは」といった不安を抱えている場合でも、ご相談いただければと思います。
