
プロジェクトマネジメントに失敗する原因とは?兆候と立て直し方も解説
計画通りに案件を進行しているつもりでも、課題の増加や意思決定の遅れなどをきっかけにプロジェクトマネジメントに失敗することがあります。
案件の成功には、問題が大きくなる前にリスクを捉え対処することが重要です。
この記事ではプロジェクトマネジメントの失敗の定義や失敗する原因、立て直し方を解説します。またPMとして案件を管理中の方向けに、プロジェクトマネジメントが失敗に向かっている兆候についても紹介するので参考にしてください。
プロジェクトマネジメントの失敗とは
プロジェクトマネジメントの失敗とは、プロジェクトの目的を達成するために必要な計画や進捗、課題、リスクなどの管理が適切に機能しない状態を意味します。管理上の問題が積み重なると、納期の遅延やコスト超過、品質低下などにつながる可能性があります。
プロジェクトの失敗とプロジェクトマネジメントの失敗の違い
プロジェクトの失敗とは納期やコスト、品質などの目標を達成できない状態を指します。それに対してプロジェクトマネジメントの失敗は、管理プロセスに問題が生じている状態です。
例えば課題の発見が遅れたり、仕様変更の影響を適切に管理できなかったりすると、問題が表面化してプロジェクトの失敗につながることがあります。
ただし、プロジェクトが失敗したからといって必ずしもPM(プロジェクトマネージャー)個人の能力だけに原因があるとは限りません。体制や権限、リソース、関係者間の認識など、組織的な要因も考慮する必要があります。
プロジェクトマネジメントで管理する内容
プロジェクトマネジメントでは、主に下記の項目を管理します。
- 目的、スコープ
- スケジュール
- コスト
- 品質
- リスク
- 課題
- 変更
- 体制、関係者
これらを個別に管理するだけでなく、相互の影響を確認しながらプロジェクト全体を調整することが重要です。
プロジェクトマネジメントに失敗する原因
プロジェクトマネジメントの失敗には、管理方法や関係者との連携など、複数の要因が関係していることがあります。
下記ではプロジェクトの進行に影響しやすい原因を紹介します。
目的や責任範囲が曖昧なまま進めている
プロジェクトの目的や何を達成すれば成功なのかが明確でないと、関係者がそれぞれ異なる方向を向いてしまいます。また誰が判断し、誰が対応するのかまで決まっていなければ、問題が起きた際に対応が遅れがちです。
開始時点で目的や成果の基準を共有し、意思決定者や担当範囲まで整理しておくことが重要です。
実現性を考えず計画を立てる
納期や作業量を先に決め、必要な人員やスキル、技術的な制約を十分に確認しないまま計画を進めると途中で無理が生じます。とくに限られた期間に多くの作業を詰め込むと、遅延だけでなく品質の低下やメンバーの負担も増加します。
計画段階では理想的なスケジュールではなく、実際の体制で実行できるかを確認することが大切です。
進捗率のみを見てプロジェクトを管理する
「予定の80%まで進んでいる」といった進捗率だけでは、プロジェクトの実態を正確に判断できません。作業は進んでいても、重要な課題が残っていたり後工程に作業が偏っていたりする場合があります。
また、完了した成果物に品質上の問題があれば手戻りが発生することもあるでしょう。進捗だけでなく課題や品質、今後のリスクも合わせて確認することが重要です。
課題やリスクを適切に管理できていない
問題が起きてから対応するだけでは、影響が広がってしまう場合があります。まだ発生していないリスクについても、起こり得る事象や影響をあらかじめ整理し、必要に応じて対策を検討しておくことが重要です。
また、課題が発生した際は担当者や期限、優先順位を明確にしなければ対応が滞ります。課題やリスクを洗い出して終わりにせず、継続して管理しましょう。
ステークホルダーと認識が一致していない
ステークホルダーとの認識の違いが、プロジェクトの失敗につながる場合があります。
経営層や現場、利用部門、開発会社などステークホルダーと合意形成を図るためにも、コミュニケーションの頻度や伝達手段、フォーマットなどをあらかじめ決定しておくことが重要です。
定期的に状況や判断事項を共有し、重要な認識の相違を早期に解消しましょう。
PMに業務負荷が集中している
本来PMとは、プロジェクトの計画から完了までを管理する仕事です。しかし現場によっては人手不足などの影響から、顧客との調整や要件整理、メンバー管理、ベンダー対応等PMの業務範囲を超えて責任を負っているケースも少なくありません。
業務負荷がPMに集中している場合、重要な判断に時間を割きにくくなります。
PMの経験や能力だけに頼るのではなく、PMOやメンバー、外部人材などに業務を分担し、管理できる体制を整えることが重要です。
下記の記事ではPMが不足する原因や、企業への影響、解決策を解説しています。
関連記事:PM不足の原因とは?人材不足が招く問題と解決する方法を解説
プロジェクトマネジメントが失敗する前の兆候
表面上はプロジェクトが順調に進んでいても、現場では少しずつ問題が積み重なっていることがあります。早い段階で兆候を確認できれば、計画や体制を見直し問題が大きくなる前に対処できます。
とくに注意したいのが下記の状況です。
- 進捗率は順調なのに課題が増える
- 問題やリスクが報告されない
- 意思決定が先送りされる
- PMへの確認が集中する
- 現場で起きていることと報告内容に差がある
これらの兆候は、一つだけでプロジェクトマネジメントの失敗を意味するものではありません。ただし、複数が同時に見られる場合は注意が必要です。
例えば進捗率は高いものの課題が増え、現場の問題が報告されない状態が続けば、実際の状況を把握できないままプロジェクトが進んでしまいます。 また、判断をPMだけに頼っていると、意思決定の遅れや業務負荷の集中にもつながるでしょう。
数字上の進捗だけで判断するのは危険です。課題の状況や現場の声、意思決定の進み具合などを合わせて確認しましょう。
プロジェクトマネジメントに失敗した場合の立て直し方
プロジェクトマネジメントに失敗した場合、現状を整理し問題を把握したうえで体制を見直す必要があります。
下記では、立て直し方の手順を解説します。
現状を可視化する
まずはプロジェクトがどのような状態にあるのか可視化しましょう。進捗のズレだけでなく未完了の作業や課題、リスク、変更事項なども確認し、関係者と認識を揃えることが重要です。
- 当初の計画と現在の進捗を比較する
- 未完了のタスクや遅延している作業を洗い出す
- 発生している問題や懸念事項を確認する
- 納期や予算、品質への影響を整理する
現場で何が起きているのか把握することが、プロジェクトマネジメントを立て直す第一歩になります。
問題や課題、リスクを整理する
現状を把握したら、発生している問題と今後起こる可能性があるリスクを分けて整理します。
- すでに発生している問題
- 対応中の課題
- 今後発生する可能性があるリスク
- それぞれの影響範囲や緊急度
- 対応する担当者と期限
上記のように整理すると、何から着手するべきか判断しやすくなります。
優先順位と意思決定者を明確化する
問題等を整理した後は、対応の優先順位と意思決定者を明確にします。とくに、プロジェクトが停滞している場合、判断を待っている事項が残っていることが少なくありません。
- 納期や品質への影響が大きい問題
- 他の作業を止めている問題
- 早急な判断が必要な事項
- PMだけでは判断できない事項
- 最終的な意思決定者
重要度の高い問題から対応し、誰が判断するのかまで決定しましょう。そうすることで対応の停滞を防ぎやすくなります。
スコープや予算、納期を見直す
プロジェクトを当初の計画のまま進めることが難しい場合、スコープや予算、納期の見直しを検討しましょう。現状のリソースと残りの作業を踏まえ、調整することも重要です。
- 優先度の低い機能や作業を見直す
- 納期を再設定する
- 必要に応じて追加の予算や人員を検討する
- 品質とのバランスを確認する
変更による影響を関係者に共有し、現実的に達成可能な計画へ組み直しましょう。
PMや外部人材を活用する
人材不足によりPMが足りない場合や、リソースが圧迫されている場合は外部人材の活用を検討しましょう。
PMOや経験豊富なPM、外部人材などを活用し、進捗管理や課題整理、ベンダーとの調整などを分担する方法もあります。
- PMの業務を整理して分担する
- PMOを配置して管理業務を支援する
- 経験のあるPMを外部から確保する
- ベンダーとの調整や課題管理を支援してもらう
現在のプロジェクトに不足していることを見極めたうえで、外部人材を活用するのがポイントです。
プロジェクトマネジメントに失敗する原因を理解して案件を成功させよう
プロジェクトマネジメントの失敗は、PM個人の能力だけが原因とは限りません。目的や責任範囲の曖昧さ、進捗管理の不足、課題への対応遅れ、PMへの業務集中など、さまざまな要因が重なって問題が大きくなることがあります。
そのためプロジェクトに遅延や課題が生じた際は、個別の問題だけを見るのではなく、計画や管理体制そのものに無理がないかを見直すことが重要です。自社だけでの対応が難しい場合は、PMOや外部の専門人材を活用する方法もあります。
株式会社BTMでは、ITプロジェクトに関するさまざまな課題を支援しています。
- プロジェクトの進行管理
- 開発体制の整備
- ベンダーとの調整
- エンジニアのリソース提供
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