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システム開発の外注管理とは?失敗原因と実務で使える進め方を解説

システム開発の外注管理は、プロジェクトの成果を大きく左右する重要な要素です。外注を活用することでリソースや技術面の課題を補える一方、進め方を誤るとスケジュール遅延や品質低下といった問題につながる場合もあります。

実際には、要件が曖昧なまま進めてしまう、進捗が見えない、外注先に丸投げし依存してしまうといった課題が発生しやすく、発注側の関わり方が成否を分けるケースも少なくありません。

本記事では、よくある課題や失敗原因を踏まえながら、外注管理を成功させるための具体的な進め方を解説します。

システム開発の外注管理とは

システム開発における外注管理とは、外部の開発会社やパートナーに業務を依頼する際に、進捗や品質、コスト、スケジュールを適切にコントロールすることを指します。

単に作業を依頼するだけでなく、要件の整理や成果物の確認、コミュニケーションの設計など、発注側が主体的に関与することが重要です。

外注管理が適切に行われていれば、外部のリソースや技術を活用しながらプロジェクトを円滑に進められます。一方で、管理が不十分な場合は認識の相違や遅延が発生しやすくなるため、体制づくりと進め方が成果を大きく左右します。

システム開発の外注管理に失敗する原因

システム開発の外注管理に失敗する原因は、以下の通りです。

  • 要件が曖昧
  • 丸投げ
  • コミュニケーション不足
  • 体制の不備

 

本来は発注側が意思決定をリードすべきにもかかわらず、これらの状態が重なるとプロジェクトの主導権が次第に外注先に移っていきます。さらに、発注企業は状況を把握しにくくなるため、外注先に依存せざるを得なくなるでしょう。

その結果、仕様やスケジュールが意図しない方向に進んだり、問題を修正できないまま進行したりするケースも少なくありません。

システム開発における外注管理の失敗は、プロジェクト全体のコントロールを失うことにつながる点に注意が必要です。

なお、ベンダーに主導権を握られてしまう具体的な原因や対処法については、下記の記事で解説しています。

関連記事:ベンダーコントロールができない原因とは?失敗事例から改善策を解説

システム開発の外注管理に成功する企業・失敗する企業の特徴

独自アンケートの結果から見えてきた傾向をもとに、外注管理がうまくいく企業と失敗しやすい企業の特徴を整理します。

※本内容はシステム開発全般の傾向をもとにしていますが、外注プロジェクトにおいても同様の傾向が見られます。

外注管理に成功する企業の特徴

プロジェクトが成功しやすい発注企業の特徴に関するアンケート結果

自社のプロパーエンジニアに「プロジェクトが成功しやすい発注企業の特徴」についてアンケート調査を行ったところ、下記の回答が得られました。

  • 目的や課題を明確にしてくれる
  • 担当者と開発の距離が近い
  • 現場に裁量を与えてくれる
  • 継続的な関係を重視している

 

独自アンケートの結果からも、上記の特徴を持つ企業はプロジェクトの進行が安定しやすい傾向が見られました。役割分担が明確で、状況を適切に把握できていることが、外注管理の成功につながっていると考えられます。

外注管理に失敗する企業の特徴

プロジェクトがうまくいかない原因に関するアンケート結果

独自アンケートの結果から、プロジェクトがうまくいかない要因として多く挙げられた項目を整理すると、外注管理においても共通する課題が見えてきます。

  • コミュニケーション不足
  • スケジュールが非現実的
  • 要件の変化が多い
  • スキルのミスマッチ
  • チーム体制が不明確

 

これらは一見するとプロジェクト全体の課題に見えますが、外注管理の観点では発注側の関わり方によって大きく左右されるポイントです。

いずれも外注先任せにせず、適切にコントロールすることが重要になります。

アンケートの詳細について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

関連記事:外注がうまくいかないのはなぜ?独自アンケートで原因を調査

システム開発の外注管理におけるポイント

発注者向けに、外注管理を円滑に進めるための基本的なポイントを解説します。実務で使える内容を整理しているので、参考にしてください。

契約内容をチェックする

契約後にベンダーとのトラブルを防ぐためにも、契約内容をしっかり確認しましょう。

成果物の定義やスケジュール、対応範囲、責任分担、費用、運用保守を含むサポート体制などを事前に明確にしておくことが重要です。

また、変更が発生した場合の対応ルールについても確認しておくことで、想定外のコスト増加や認識のズレを防げます。

要件定義を明確にする

要件定義は、プロジェクト全体の土台となる工程です。このステップが曖昧なままだと、その後の設計や開発で認識のズレが発生しやすくなります。

機能や仕様だけでなく、優先順位や制約条件、運用イメージまで具体的に整理しておくことがポイントです。

定期的にコミュニケーションを取る

外注したプロジェクトでは、コミュニケーション不足がトラブルの大きな要因になります。

定例会議やレビューの場を設け、進捗や課題を共有しましょう。また、相談しやすい関係性を築くこともスムーズなプロジェクト進行につながります。

品質やリスク管理を徹底する

品質やリスクの管理も重要なポイントです。納期を優先するあまり品質が担保されていないと、リリース後に大きな問題となる可能性があります。

テストの観点や品質基準を明確にし、段階ごとにチェックを行うことで、品質の担保につながります。

また、想定されるリスクを事前に洗い出し、対応策を考えておけばトラブル発生時の影響を最小限に抑えられるでしょう。

システム開発の工程別|外注管理の進め方

システム開発の外注管理は、工程ごとに押さえるべきポイントが異なります。企画から運用保守までの各フェーズで適切に関与することで、認識のズレや手戻りを防ぎ、プロジェクトを安定して進められるでしょう。

本章では、工程別に外注管理の進め方を解説します。

企画

企画段階では開発の目的とゴールを明確にすることが重要です。

目的やKPI、優先順位を整理し、外注先と共通認識を持つことが、後工程のスムーズな進行につながります。

要件定義

要件定義では機能や仕様、スケジュール、運用方法などを具体化します。曖昧な箇所や抜け漏れがあると開発段階で認識の相違が発生しやすくなるため、適宜コミュニケーションを取りましょう。

また、どこまでが必須で、どこからが追加要件なのかを明確にしておくことで、スコープの肥大化を防げます。

外部設計

外部設計は、ユーザーから見える画面や機能、操作フローなどを定義する工程です。何を作るかを具体化するフェーズであり、要件定義の内容をもとに、システムの全体像を固めていきます。

外注管理のポイントは、要件とのズレがないか、ユーザー視点で使える設計になっているかを確認することです。画面仕様や機能一覧、業務フローなどに曖昧な点が残っていると、認識の相違が発生しやすくなります。

外部設計の段階でのズレは、そのまま後工程に引き継がれるため、修正コストが大きくなりがちです。早い段階でレビューを行い、認識をすり合わせておきましょう。

内部設計

内部設計は、外部設計で定義された内容を実現するためのシステム構造や処理ロジックを設計する工程です。データ構造や処理の流れ、エラー処理など、実装に直結する部分を具体化します。

外注管理のポイントは、実装に落とし込める粒度になっているか、無理のない設計になっているかを確認することです。設計が抽象的なままだと、開発者ごとに解釈が分かれ、品質のばらつきや手戻りが発生しやすくなります。

また、内部設計が複雑すぎる場合、開発や保守の負担が大きくなるリスクもあります。設計内容が適切かどうかをレビューし、実現性や保守性の観点からチェックすることが重要です。

プログラミング

要件定義や設計に基づき、プログラムが実装される段階です。

開発工程では、進捗と品質の両方をバランスよく管理することがポイントです。スケジュールだけを見ていると品質が落ちやすく、逆に品質ばかりに注力すると遅延が発生します。

タスク単位での進捗把握や、中間成果物の確認を行いながら、問題が小さいうちに修正できる状態を作ることが重要です。

テスト

プログラムが要件通りに動作するか確認する工程です。テスト不足のままリリースすると、運用開始後に大きなトラブルにつながるリスクがあるため、発注側も参加しましょう。

下記の順に工程を進めていくのが一般的な流れになります。

  1. 単体テスト
  2. 結合テスト
  3. 統合テスト
  4. 運用テスト

 

外注任せにせず、発注側の視点からも確認を行いましょう。そうすることで実運用に近い形で品質を担保できます。

運用保守

システムを安定的に稼働させるための工程です。

運用・保守では、トラブル対応や改修フローを事前に決めておくことがポイントです。障害発生時の対応範囲や連絡体制が不明確だと、復旧までに時間がかかる可能性があります。

また、この工程では自社で対応するのか、外注するのかを明確にしておくことも重要です。例えば、日常的な監視や軽微な対応は自社で行い、専門的な改修や大規模な障害対応は外注するなど、役割分担を決めておくことで運用の負担を最適化できます。

あわせて継続的な改善や機能追加を見据え、どのように外注先と連携していくかを整理しておくことが、長期的な安定運用につながります。

システム開発手法別の外注管理の注意点

開発手法により、外注管理で抑えるべきポイントは異なります。手法を顧みず同じ進め方をすると、意図せずトラブルや手戻りが発生する原因になるでしょう。

代表的な開発手法ごとに、外注管理の注意点をお伝えします。

アジャイル型開発

アジャイル型開発は短い開発サイクルを繰り返しながら、仕様を柔軟に調整していく手法です。そのため、発注側が継続的にコミュニケーションを取り進捗を確認するなど、関与することが重要になります。

外注管理の観点では、定期的なレビューや優先順位の調整を行いましょう。

ウォーターフォール型開発

ウォーターフォール型開発とは要件定義から順に工程を進めていく手法です。注意点として前の工程に戻るのが難しいため、初期の要件定義や契約を曖昧にしないことがポイントになります。

外注管理では、成果物の定義や責任範囲を明確にしましょう。初期段階で要件や成果物の認識を揃えることで、追加コストの発生やスケジュールの遅延を防げます。

プロトタイピング型開発

プロトタイピング型開発は、試作品を作りながら仕様を固めていく手法です。

この手法では、プロトタイプの目的と開発範囲を明確にコントロールすることが重要になります。範囲を定めないまま進めると、試作がそのまま本開発に拡張され、コストや工数が膨らみやすくなるでしょう。

外注管理としては、どこまでを検証とするのか定義し、スコープを意識的に管理することが求められます。

システム開発を外注するメリット

システム開発を外注するか、自社で内製するかは多くの企業が悩むポイントです。外注にはコストだけでなく、リソースやノウハウの観点でもメリットがあります。以下のメリットを参考に、自社の状況に応じて適切に判断しましょう。

  • 社内に不足しているエンジニアや技術を補える
  • 自社のリソースをコア業務に集中できる
  • 実績のある外注先からノウハウや提案を受けられる
  • 開発スピードを高めやすい
  • 必要なタイミングで柔軟に人材を確保できる

 

外注を活用することで、自社だけでは対応が難しい領域にも対応できるようになります。特に自社にノウハウがない領域では、外部の実績を活用できる点が大きなメリットです。

専門性の高い技術や経験が求められるプロジェクトでは、、外部の力を活用することで成果の質を高められるでしょう。

システム開発を外注するデメリット

外注には注意すべきデメリットも存在します。管理や進め方を誤ると、かえって負担が増える可能性もあるため、事前に理解しておくことが大切です。

  • 社内にノウハウが蓄積されにくい
  • 外注先に依存しやすくなる
  • コミュニケーションコストが発生する
  • 要件や認識のズレが起こる可能性がある
  • 継続的なコストがかかる

 

外注はあくまで手段であり、すべてを任せればうまくいくわけではありません。外注に依存しすぎると、自社内に知見が蓄積されにくくなる点にも注意が必要です。

自社としてどこまで関与するのか、どの部分を依頼するのかを整理し、適切なパートナーとして関係を構築しましょう。

システム開発の外注管理にお悩みなら株式会社BTMにご相談ください

システム開発の外注管理は、進め方や体制によって成果が大きく変わります。要件の曖昧さやコミュニケーション不足、進捗の見えにくさといった課題は、外注先の問題ではなく発注側の関わり方によって改善できるケースも少なくありません。

重要なのはどこまでを自社で担い、どこからを外注するのかを整理し、適切な体制を構築することです。

現状の進め方に不安がある場合は、一度プロジェクト全体の進め方を見直すことが重要です。

株式会社BTMでは外注管理の整理や体制設計からご支援しています。伴走型の開発支援も得意としておりますので、お気軽にご相談ください。

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