
ベンダーコントロールとは?マネジメントとの違いや必要性、ポイントを解説
ベンダーコントロールとはシステム開発やITプロジェクトにおいて、ベンダーとの調整や進捗・品質・コストを管理し、プロジェクトを円滑に進めるための取り組みです。
しかし、「ベンダーマネジメントとの違いが分からない」「どのように進めればよいのか分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
適切なベンダーコントロールは、品質の維持や納期遅延の防止、コスト管理にもつながります。本記事では、ベンダーコントロールの定義やベンダーマネジメントとの違い、必要性、基本的な進め方、成功させるポイントについて分かりやすく解説します。
ベンダーコントロールとは?定義を解説
最初にベンダーコントロールの定義と、混同されやすいベンダーマネジメントの違いについて解説します。
ベンダーコントロールとは
ベンダーコントロールとは、システム開発やITプロジェクトにおいて、ベンダーとのコミュニケーションや進捗、品質、コストなどを管理し、プロジェクトを円滑に進めるための取り組みです。
発注企業とベンダー、または複数のベンダー間で認識のズレが生じないよう調整し、品質や納期、コストを適切に管理する役割があります。
単に指示を出すのではなく、課題を整理しながら関係者の合意形成を図ることが、ベンダーコントロールの重要な役割です。
ベンダーマネジメントとの違い
ベンダーマネジメントは、ベンダーの選定や契約、評価など、ベンダーとの関係全体を管理する考え方です。一方ベンダーコントロールは契約後のプロジェクト運営を中心に、ベンダーとの調整や進捗、品質、コストを管理し、プロジェクトを円滑に進めるための取り組みです。
つまり、ベンダーマネジメントがベンダーとの関係を幅広く管理するのに対し、ベンダーコントロールはプロジェクト成功に向けた実務的な調整・管理を行う点が大きな違いになります。
ベンダーコントロールは、ベンダーマネジメントを実現するための実務の一つと考えるとイメージしやすいでしょう。
ベンダーコントロールの必要性
ベンダーコントロールは、プロジェクトを円滑に進めるために欠かせない取り組みです。
それぞれの役割や責任の範囲が曖昧なままプロジェクトが進行すると、品質のばらつきや納期遅延、コスト増加などのリスクが高まるでしょう。
プロジェクトの品質を維持するため
ベンダーコントロールは、成果物の品質を一定に保つために重要です。開発会社ごとに品質基準や開発手法が異なるため、統一したルールがなければ成果物にばらつきが生じる可能性があります。
レビュー基準や受け入れ条件を事前に定め、定期的に品質を確認しましょう。そうすることで、認識のズレや手戻りを防ぎやすくなります。
プロジェクト全体で品質基準を共有することが、安定したシステム開発につながります。
納期遅延やトラブルを防ぐため
開発の進捗状況を適切に管理できない場合、納期の遅延につながる恐れがあります。 定例会議や進捗報告を通じて状況を把握し、問題が発生した際は早めに対応することが大切です。
また、仕様変更や役割の認識違いが原因でトラブルが発生するケースも少なくありません。情報共有を徹底し、関係者が共通認識を持ちましょう。
定期的な報告の場を設けることで、スムーズなプロジェクト運営が実現できます。
コストを適切に管理するため
ベンダーコントロールは、予算内でプロジェクトを進行するためにも欠かせません。進捗管理が不十分な場合、仕様変更や追加開発が繰り返され想定以上のコストが発生することがあります。
契約内容や作業範囲を明確にし、変更が必要な場合は影響範囲や費用を事前に確認しましょう。
コストの発生状況を継続的に把握すれば、予算を超過するリスクを抑えやすくなります。
複数ベンダー間の連携を円滑にするため
人材不足の解消や高度な専門知識の活用などの理由により、複数のベンダーが同一プロジェクトに参画するケースが増加しています。
複数のベンダーが関与する場合、それぞれの担当範囲や責任を明確にしましょう。そうすることで、対応漏れや責任転嫁が発生するのを予防できます。
また、各ベンダーで情報共有の方法が異なる場合、認識のズレによる手戻りも起こりやすくなります。
役割分担や連絡ルールを統一し、定期的に情報共有を行うことで、関係者が連携しやすい体制を構築しましょう。
セキュリティやコンプライアンスを確保するため
システム開発では、顧客情報や業務データなどの重要な情報を取り扱います。そのため、徹底したセキュリティ対策が欠かせません。
ベンダーごとに運用ルールが異なると、情報漏えいや不正アクセスのリスクが高まる可能性があります。アクセス権限の管理や情報の取り扱いルールを統一し、法令や社内規程を遵守できる体制を整えることが重要です。
セキュリティやコンプライアンスを意識したベンダーコントロールを行い、安全なプロジェクト運営を目指しましょう。
ベンダーコントロールは難しい?よくある課題
ベンダーコントロールではベンダーとの調整や社内の関係者との合意形成も必要になるため、難しいと感じる企業は少なくありません。
とくにITに関する知識やプロジェクト管理の経験が不足している場合は、ベンダーへ適切な指示や判断ができず、認識のズレや納期遅延、品質低下につながることがあります。また複数のベンダーが参画するプロジェクトでは、情報共有や役割分担が複雑になり、調整の負担が大きくなりがちです。
ベンダーコントロールを円滑に進めるためには、課題を早期に把握し、適切な管理体制やコミュニケーションの仕組みを整えることが重要です。
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ベンダーコントロールに必要な知識やスキル、資格
適切なベンダーコントロールを行うには、さまざまな知識やスキルが必要になります。
とくに以下の知識やスキルは、ベンダーとパートナーとして対等な関係を築いていくうえでも欠かせません。
- 基本的なITリテラシー
- 社内システムに関する知識
- プロジェクトのマネジメントスキル
- 業務を円滑に進めるコミュニケーションスキル
- トラブルへの対処力
基本的なITリテラシーがあれば、ベンダーに適切な指示を出したり成果物のレビューを行ったりできます。ベンダーにシステムの設計から保守まで依頼する場合も、ベンダーマネジメントにはITの基礎知識が必要になるでしょう。
また、社内システムに関する知識も欠かせません。システムの構成や業務フロー、運用ルールなどをまとめておきましょう。
なお、プロジェクト進行時はたびたび自社とベンダー間で折衝や調整が発生します。そのため、業務を円滑に進めるコミュニケーション能力やトラブルに対処するスキルも求められます。
すべての業務や意思決定をベンダーに丸投げせず、発注側の企業が主体的にプロジェクトに関わっていくためにも必要な知識やスキルを確認しておきましょう。
ベンダーコントロールに必要な資格を取りたい場合には、ITパスポート試験やプロジェクトマネージャ試験、ITストラテジスト試験などが役に立ちます。
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ベンダーコントロールの進め方
ベンダーコントロールは契約後のプロジェクト運営が中心ですが、円滑に進めるためには事前準備も欠かせません。ここでは、要件整理からプロジェクト完了までを含めた基本的な進め方を紹介します。
要件や目的を明確にする
ベンダーへ依頼する前にプロジェクトの要件や目的を明確化しましょう。
目的が曖昧なままでは、ベンダーごとに認識が異なり仕様のズレや追加開発が発生する可能性があります。開発の目的や必要な機能、予算、納期などを整理し、関係者で共通認識を持っておきましょう。
ベンダーの比較と選定を行う
ベンダーを選ぶ際は価格だけで判断せず、技術力や開発実績、対応力、サポート体制などを総合的に比較しましょう。それぞれの強みや得意分野を把握したうえで、自社の要件に適したベンダーを選定することが重要です。
また、技術力や実績だけでなく、コミュニケーションの取りやすさや課題への対応力も確認しておきましょう。
役割と責任範囲を整理する
プロジェクト開始前に、各ベンダーの役割や責任範囲を整理しておくことが重要です。
担当業務や成果物、意思決定の権限が曖昧なままでは、対応漏れや責任の所在が不明確になる恐れがあります。とくに、複数のベンダーが参画する場合は役割分担とあわせて連携方法も整理しておきましょう。
関係者全員が同じ認識を持てる状態を整えることが、円滑なプロジェクト運営につながります。
進捗と課題を定期的に確認する
プロジェクトの進捗や課題は、定期的に確認しましょう。定例会議や進捗報告を通じてスケジュールに遅延がないか、品質やコストに影響する課題が発生していないかをチェックします。
問題を早期に発見できる体制を整えておくことが、プロジェクトの安定的な進行につながります。
成果物を評価し改善につなげる
成果物は納品された時点で終わりではなく、品質や要件を満たしているかを評価しましょう。品質や納期、提案力、コミュニケーションの質、柔軟性などの項目をレビューします。
また、ベンダーコントロールの進め方や発生した課題を振り返り、次回のプロジェクトに活かすことも重要です。継続的な改善を行うことで、より効果的なベンダーコントロールを実現できます。
ベンダーコントロールを成功させるためのポイント
ベンダーコントロールを効果的に行うには、ベンダーへ業務を任せるだけではなく、適切な管理体制を整えることが重要です。
ここでは、ベンダーコントロールを成功へ導くために押さえておきたいポイントを紹介します。
情報共有を密に行う
円滑なプロジェクト運営には、関係者間でタイムリーに情報を共有することが欠かせません。
仕様変更や課題、進捗状況、決定事項が適切に共有されていないと、認識の相違が生じ、手戻りやトラブルの原因になります。定例会議やチャットツール、ドキュメント管理ツールの活用など、関係者が最新の情報を確認できる環境を整えましょう。
共通のフォーマットを使用するなど、情報共有のルールを統一することも重要です。
必要なスキルを持つ担当者を選定する
ベンダーコントロールには技術的な知識だけでなく、プロジェクト管理スキルやコミュニケーション能力も求められます。そのため、適切なスキルを持つ担当者が関わることが重要です。
システム開発の経験やベンダーとの調整経験がある人材であれば、課題を早期に把握し、円滑に意思決定を進めやすくなります。
社内に十分なリソースがない場合は、外部の専門家や支援サービスの活用も有効な選択肢です。
セキュリティ体制を整える
システム開発では、顧客情報や機密情報を取り扱います。そのため、適切なセキュリティ体制を整えることが重要です。
ベンダーごとに情報管理のルールが異なると、情報漏えいや不正アクセスなどのリスクが高まる可能性があります。アクセス権限の設定やデータの取り扱いルール、インシデント発生時の対応手順などを事前に共有し、ベンダー間で統一した運用を実施しましょう。
定期的なセキュリティチェックやルールの見直しを行えば、安全な開発体制を維持しやすくなります。
品質管理の基準を統一する
ベンダーごとに品質基準や開発手法が異なると、成果物の品質に差が発生し、手戻りや追加対応が発生しやすくなります。 そのため、レビューの実施方法やテスト基準、成果物の受け入れ条件などをあらかじめ定め、関係者全員で共通認識を持つことが重要です。
また、品質を定期的に確認し、課題が見つかった場合は早めに改善へつなげる体制を整えましょう。そうすることで、安定した品質を維持しながらプロジェクトを進められます。
ベンダーコントロールを適切に行い、プロジェクトの成功につなげよう
ベンダーコントロールはベンダーとの調整や進捗、品質、コストを管理し、プロジェクトを円滑に進めるために欠かせない取り組みです。役割や責任範囲を明確にし、情報共有や進捗管理を徹底することで、品質の向上や納期遅延の防止につながります。
しかし、リソース等の問題から下記のような課題を抱えている企業は少なくありません。
- 外注先と認識が合わない
- プロジェクトが予定通りに進まない
- ベンダーコントロールに割けるリソースがない
このような場合は、株式会社BTMまでご相談ください。
お客様の課題を整理したうえで、状況に応じた支援をご提案させていただきます。
