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炎上プロジェクトの火消しとは?立て直し時の注意点を整理

ITプロジェクトを推進する中で、計画が大幅に狂うケースは少なくありません。 いわゆる炎上に陥った状態を立て直すには、特別なアプローチが必要です。

一度火がついた現場を鎮火させる作業は「火消し」と呼ばれます。 火消しには通常時とは異なる、冷静な診断と迅速な実行が求められるでしょう。

本記事では、プロジェクトが炎上する原因を詳しく整理します。 その上で、立て直しに向けた具体的な診断方法と実践ステップを解説するので参考にしてください。

炎上プロジェクトの定義

炎上プロジェクトとは、計画された納期や予算、品質のいずれかが大幅に逸脱し、 通常のマネジメントでは制御不能に陥った状態を指します。

つまり炎上プロジェクトとは、単に進捗が遅れた状態を意味するわけではありません。現場の疲弊やステークホルダーとの信頼関係の悪化、意思決定の停止などが重なることで、プロジェクトの継続自体が危ぶまれる状況を意味します。

特に注意したいのは、致命的ではないと受け止められている段階です。一見すると局所的な問題に見えても、背景では複数のリスクが同時に進行しているケースがあります。

炎上は突発的に起こるものではなく、判断を先送りした結果として表面化することが多いとされています。

プロジェクトが炎上する原因

システム開発を伴うプロジェクトでは、要件の曖昧さや人材配置の不整合、関係者間の認識不足が重なり、炎上に発展するケースがあります。

個別の問題は小さく見えても、進行とともに影響が拡大し、状況を制御しづらくなる点が特徴です。炎上プロジェクトでよく見られる代表的な原因を整理します。

曖昧な要件定義

目的や範囲が不明確なまま進むと、プロジェクトは迷走しやすくなります。 特に成果物の定義が曖昧な状態では、炎上のリスクが急激に高まるでしょう。

また、要件が固まらないまま進行すると、途中で仕様変更が頻発します。 要望が膨らみ続けることで、当初の計画との乖離は避けられません。 結果として、 予算や納期を大幅に超過する事態を招いてしまいます。

リソースとスキルのミスマッチ

業務量に対して人員が不足していると、現場の負担は急激に増大します。 

また、必要な技術領域のスキルが足りない場合も作業効率は大幅に低下するでしょう。 適材適所の配置がなされないことが、プロジェクトの停滞を招く一因です。

プロジェクトに合った人材を配置するためにも、必要なタスクを洗い出した上で要因計画を実施しましょう。

顧客・チーム間でのコミュニケーション不足

関係者間の認識のズレは、小さな火種を大きなトラブルへと発展させます。顧客やチーム間で情報共有や意思疎通が十分に行われていないと、判断の遅れや誤解が積み重なってしまうでしょう。

特に、進捗や課題が正しく共有されていない状態では、現場の問題が表面化しません。その結果、対応が後手に回り、解決すべきトラブルを見逃してしまうこともあります。

誰に何を相談すればよいのか、どの情報を共有すべきかを明確にし、日常的にコミュニケーションを取りやすい環境を整えることが、炎上を未然に防ぐ重要な鍵となります。

プロジェクトが失敗する理由について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

火消しが必要な炎上プロジェクトの事例

炎上プロジェクトは、特定の業界や規模に限って起こるものではありません。よく見られる事例を通して、炎上に至る流れを整理します。

責任の追及に終始する

問題が起きた際、解決よりも「誰のせいか」が議論の中心になる事例です。 責任を恐れて情報が隠蔽されるようになり、状況がさらに悪化します。 

建設的な議論が失われることで、プロジェクトを火消しする機会を逃してしまうでしょう。

求職・退職者が続出する

過度な負荷が続き、現場のエースを潰してしまうケースは少なくありません。 優秀なメンバーに依存した結果、その離脱が致命傷となります。

主要メンバーの欠員は、プロジェクトにとって最大の打撃です。 残ったメンバーへの負担も増え、負の連鎖が止まらなくなります。

仕様の変更により混乱を招く

完成間近になってから、根本的な仕様変更が繰り返される事例です。 

現場の作業が手戻りとなり、モチベーションの低下を招きます。 最終的なゴールが見えなくなり、品質の確保も困難な状態に陥るでしょう。

炎上プロジェクトを立て直すための3つの初期診断

炎上状態にあるプロジェクトを立て直す際は、すぐに対策を打つよりも現状を正しく把握することが重要です。判断材料が整理されないまま動き出すと、かえって混乱を招くこともあるでしょう。

立て直しを検討する前に確認しておきたい初期診断の視点を整理します。

残タスクの可視化

炎上プロジェクトでは、完了したはずの作業が実際には終わっていないケースがあります。

表面的な進捗ではなく、何がどこまで終わっているのかを事実ベースで整理することが重要です。この段階で曖昧さを残すと、後の判断に大きな影響を及ぼすことがあります。

優先順位の再定義

限られた時間と資源で、すべてを完璧に完遂するのは困難な場合が多いです。 ビジネス上の価値を基準に、機能の優先順位を再定義しましょう。 

本当に必要なものを絞り込むことが、立て直しへの第一歩です。

コミュニケーションの確認

情報や判断がどこで滞っているのかを確認し、意思決定の流れを整理します。

責任者が不明確な状態では、現場の判断が止まりやすくなります。誰が、どこで、何を決めるのかを明確にすることが重要です。

炎上プロジェクトの立て直し方

初期診断によって状況が整理できたら、次は具体的な立て直しに移ります。ただし、闇雲な対策は新たな混乱を生む可能性があるでしょう。

ここでは、現場の負荷を抑えながら状況を安定させるための実践的なステップを整理します。

メンバーの役割を再整理する

炎上プロジェクトでは、責任範囲が曖昧になり現場の負担が偏りやすくなります。進行管理、技術判断、対外調整といった役割を整理し、判断の窓口を明確にしましょう。

役割が整理されることで、無用な確認や手戻りを減らすことができます。

ゴールを再設定する

プロジェクト開始当初の計画をそのまま維持しようとすると、現場の負荷が過剰になる場合があります。

限られた時間と体制を踏まえた上で何を優先し、どこまで対応するのかを再整理しましょう。現実的なゴールを共有することが、立て直しの起点になります。

短いサイクルで進捗確認を行う

長期間の計画だけに依存すると、小さなズレが見過ごされやすくなります。タスクを細かく区切り、短いサイクルで状況を確認しましょう。

早期に課題を共有できれば、現場の不安や疲弊も抑えやすくなります。

必要に応じて外部のリソースを活用する

内部だけで炎上プロジェクトの立て直しが難しい場合、外部の支援を検討する選択もあります。

第三者の視点が入ることで、負荷の偏りや判断の滞りが整理されるでしょう。

【注意】炎上プロジェクトで火消しが逆効果になるパターン

炎上状態では、状況を十分に踏まえない進め方が混乱を深めてしまうケースも少なくありません。

ここでは、火消しの段階で注意したい代表的なパターンを整理します。

責任の追及に時間を割く

炎上プロジェクトが発生した原因の振り返りは重要です。しかし、立て直しの最中に責任論が先行すると、現場の萎縮や判断の停滞を招くでしょう。

火消しの段階では責任の追及よりも、何が起きているのかを整理する姿勢が求められます。責任の整理は、状況が落ち着いてから行う方が適切な場合もあるでしょう。

安易な人材の投入

人手を増やせば解決が早まるように見えるかもしれません。しかし、プロジェクトの構造や課題が整理されていない状態での増員は、かえって調整コストを増やすことがあります。

引き継ぎや説明に時間が割かれ、現場の負担が一時的に高まる可能性も否定できません。

現状を無視したスケジュールの引き直し

当初の計画を前提にスケジュールを引き直すと、実態との乖離が広がることがあります。残りのタスクや体制、現場の稼働状況を踏まえずにプロジェクトを再計画すると、再び無理が生じやすくなるでしょう。

事実を整理した上で、現実的な計画を検討することが重要です。

炎上プロジェクトの火消しを外部に依頼する際のポイント

内部での立て直しが難しい場合、外部の力を借りるという選択肢もあります。ただし単純な人員補強では状況が改善しないケースもあるでしょう。

炎上プロジェクトの火消しを外部に依頼する際に、事前に確認しておきたいポイントを整理するので、参考にしてください。

火消し役として事実ベースで状況を整理できるか

表面的な報告だけでなく、実務レベルで状況を把握できるかが重要です。PMやリーダーへのヒアリングに加え、成果物や進捗の実態を確認する姿勢が求められます。

トラブルの背景を事実ベースで整理できるかが判断材料になるでしょう。

マネジメントと技術の両面から支援できる体制か

炎上プロジェクトでは、進行管理と技術課題が複雑に絡み合います。

PM視点だけ、あるいは開発支援だけでは、問題の全体像を捉えきれない場合があります。マネジメントと技術の両面から支援できる体制かを確認しましょう。

一時的な火消しで終わらず、再発防止を見据えているか

短期的な収束だけでなく、今後同様の問題を防ぐ視点があるかも確認したいポイントです。一時的なトラブル対応に留まると、同様の問題が再発する可能性があります。

立て直し後の運用まで意識しているか確認しましょう。

炎上プロジェクトの火消しに重要なのは正しい状況整理

炎上プロジェクトの火消しには、原因の特定や対策以前に状況を正しく整理する視点が欠かせません。初期診断によって事実を把握し、現場の負荷を踏まえた上で対応を進めることが安定化への近道になります。

内部だけで判断が難しい場合、PMやリーダーの立場を整理しながら全体を見渡す支援が有効なケースもあります。

ITコンサルは、技術と業務の両面から状況を整理し、立て直しの判断材料を整える役割を担います。状況に応じて、こうした選択肢を検討することも一つの方法でしょう。

株式会社BTMでは、ITコンサルタントとして炎上プロジェクトの状況整理や立て直しの支援をしています。まずはお気軽にご相談ください。

 

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