
PM不足の原因とは?人材不足が招く問題と解決する方法を解説
PM(プロジェクトマネージャー)不足は多くの企業でプロジェクトの品質に影響を及ぼす問題となっています。
DXの推進やシステム開発の複雑化により、PMに求められる役割は広がる一方で、人材の育成や採用が追いついていない企業も少なくありません。その結果、プロジェクトの遅延や意思決定の停滞など、さまざまな問題につながる可能性があります。
本記事では、PMが不足する理由や企業への影響、解消する方法、外部人材を活用する際のポイントまで詳しく解説します。
PMが不足している理由と背景
PMの業務は多岐にわたる一方、PMは経験を通じて身につける能力が多く、短期間で育成することも困難です。
さらに、現場では開発業務との兼任や負担の大きさが課題となり、PMを十分に確保できない状況が続いています。
プロジェクトの複雑化でPMに求められる役割が広がっているため
近年のITプロジェクトでは、進捗や予算を管理するだけではPMの役割を十分に果たせなくなっています。
クラウドサービスやAIなどの技術が広がり、複数のシステムや外部サービスを連携させる案件も増えました。そのため、PMには技術面の理解に加え、要件の整理、関係部署との調整、ベンダー管理、リスクへの対応など、幅広い役割が求められます。
担当領域が広がるほど必要な知識や経験も増えるため、PMを担える人材の不足につながっているのです。
DX推進によりPMの需要が急速に高まっているため
DX推進を背景に、多くの企業が既存システムの刷新や業務のデジタル化に取り組んでいます。基幹システムの再構築、クラウド移行、データ活用など、複数の施策を同時に進める企業も少なくありません。
こうした取り組みでは、目的や優先順位を整理し、社内外の関係者をまとめるPMが必要です。しかし、新たなプロジェクトが増えても経験を持つPMの人数が同じ速度で増えるとは限りません。
案件数の増加が人材の増加を上回り、PM不足につながっています。
PMの育成は時間を要するため
PMにはプロジェクト管理のスキルだけでなく、状況に応じた判断能力や調整力も求められます。これらは研修や資格取得だけで身につくものではありません。実際のプロジェクトで課題に向き合う中で培われる能力です。
例えば、要件変更への対応やトラブル発生時の優先順位付けには、過去の経験が判断の質を左右します。
そのため、PM候補を採用したり育成したりしても、すぐに大規模な案件を任せられるとは限りません。このような背景からプロジェクトマネジメントを担う人材の供給が追い付きにくくなっているのです。
プレイングマネージャー化により業務に注力しにくいため
人材が限られる開発現場では、PMが管理業務だけを担当するのではなく設計や開発、顧客対応なども兼任するケースがあります。このようなプレイングマネージャーは現場の状況を把握しやすい一方、複数の業務を同時に進めなければなりません。
開発作業が優先されると、進捗確認やリスク管理、関係者との調整に十分な時間を確保できない場合もあるでしょう。
PMが在籍していても本来のマネジメント業務に注力できなければ、実質的なPM不足が起こる可能性があります。
関連記事:プロジェクト掛け持ちの限界はなぜ起きる?体制設計で防ぐ方法
PMの負担が大きく人材が定着しにくいため
PMは納期や予算、品質の管理に加え、顧客やチーム、関係部署との調整まで、幅広い責任を担う職種です。
問題が発生した際は対応の判断を求められる一方、プロジェクトの成果はメンバーのスキルや要件変更など、自身だけでは管理しきれない要因にも左右されます。また、責任の重さに見合った評価や報酬を得られない場合、PMとして働き続ける意欲が低下する可能性があります。
負担に対して評価が十分でない状態が続くと、PMからの離職や職種変更につながり、人材の定着を妨げる要因となるでしょう。
PMの不足が招く問題
プロジェクトマネージャーが不足すると進捗や課題を適切に把握できず、プロジェクト全体の状況が見えにくくなる可能性があります。また、判断や調整が遅れることで、開発スケジュールや品質にも影響が及ぶ場合があるでしょう。
PM不足による負担は、特定のメンバーや現場に偏りやすく、プロジェクト全体の安定性を低下させる要因にもなります。
プロジェクトの遅延や品質の低下
PMが不足している場合、進捗や課題を継続的に確認する体制が整いにくくなります。
その結果、作業の遅れや仕様の認識違いに早期に気づけず、問題が大きくなってから対応するケースも珍しくありません。また、納期を優先して開発を進めると、テストやレビューに必要な時間を確保できない恐れがあります。その結果、品質の低下につながる可能性があります。
PM不足は管理業務の負担だけでなく、プロジェクトの遅延や手戻りを招く要因にもなります。
意思決定の停滞
PMが不足すると誰が判断するのか曖昧になり、確認や承認に時間を要するようになります。また、顧客や関係部署との調整役が不在になると、意見を整理できないまま議論だけが長引く可能性も否定できません。
意思決定が遅れると、開発チームは方針を定めにくくなります。その結果、作業の停滞やスケジュールの進捗に影響が出る可能性があります。
メンバーの負担増加
PMが不足すると、本来は管理を担当しないエンジニアやリーダーが進捗確認や顧客対応、関係者との調整を兼任することがあります。このような業務が増えると設計や開発、品質確認に充てる時間が減る可能性があるでしょう。
また、特定のメンバーに調整業務や判断が集中すると、負担の偏りも生じやすくなります。
負担が長期間続けば、業務の効率低下や人材の離職につながる場合もあるため、役割を適切に分担することが重要です。
ベンダーコントロールが難しくなることも
外部ベンダーにシステム開発を委託する場合、PMには進捗や成果物を確認しながら、認識のずれを調整する役割があります。
PMが不足すると、委託先との定例会や課題管理に十分な時間を割けず、問題の把握が遅れる可能性があります。また、要件変更や追加要望を適切に整理できなければ、仕様の認識違いや想定外のコスト増につながる場合もあるでしょう。
PM不足は社内の管理体制だけでなく、ベンダーとの連携にも影響を及ぼす可能性がある問題です。
下記の記事では、プロジェクトを成功に導くためになぜベンダーコントロールが必要なのか解説しています。詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
関連記事:ベンダーコントロールとは?マネジメントとの違いや必要性、ポイントを解説
PM不足を解決する方法
PM不足を解決するには、採用だけに頼るのではなく社内人材の育成や業務の仕組み化、外部人材の活用を組み合わせることが重要です。自社のプロジェクト規模や不足している役割に応じて、適切な方法を選びましょう。
また外部へ支援を依頼する場合、業務を丸投げせずに自社と外部の役割を明確にしたうえで連携することが求められます。
社内でPM候補を計画的に育成する
将来的なPM不足に備えるには、社内でPM候補を継続的に育成することが重要です。まずは小規模なプロジェクトや一部の管理業務を任せ、経験に応じて担当範囲を広げていきましょう。
また、経験豊富なPMが判断の背景や進め方を共有することで、実務を通じた学びを得やすくなります。
育成を個人任せにせず、必要なスキルや経験を整理した育成計画を設けることが、PM人材の継続的な確保につながります。
PM業務を仕組み化する
PMの業務が個人の経験やスキルに依存している場合、担当者の異動や退職によってプロジェクト運営が不安定になる可能性があります。
進捗管理の方法や課題の記録、会議の進め方などを標準化し、PMごとの業務のばらつきを抑えましょう。また、管理テンプレートやプロジェクト管理ツールを活用すれば、情報の共有や状況の把握も効率化できます。
業務を仕組み化し、PMの負担を軽減しましょう。限られた人材でも管理しやすい体制を整えることが重要です。
外部のPMやPMOを活用する
PMの育成や業務の仕組み化には時間を要します。社内の人材のみでPMを確保できない場合は、外部のPMやPMOを活用するのもひとつの手です。
PMOとはプロジェクト全体の進捗管理や課題管理、品質管理などを支援し、PMが円滑にプロジェクトを進められるようサポートする組織や役割を指します。PMがプロジェクト全体の意思決定を担うのに対し、PMOは管理業務や運営面を支援する役割を担うのが一般的です。
経験豊富なPMやPMOが参画することで、進捗管理や課題整理、関係者との調整を客観的な視点で進めやすくなります。とくに大規模なシステム刷新や複数部門・複数ベンダーが関わるプロジェクトでは、管理体制を強化しやすい点がメリットです。
外部のPMを活用する場合は、任せる業務や意思決定の範囲を明確にしましょう。自社の担当者と連携できる体制を整えることが重要です。
開発会社へプロジェクト管理まで依頼する
PMOはプロジェクト管理を支援する役割を担いますが、実際のシステム開発は行いません。
一方、開発会社の中には、開発だけでなくプロジェクト管理まで一貫して支援できる企業もあります。開発リソースだけでなくPMも不足している場合は、このような体制を選択肢の一つとして検討するとよいでしょう。
自社のPMにリソースがない、そもそも人材が不足しているといった場合は、開発会社へプロジェクト管理まで依頼する手段もあります。
開発会社が技術面を踏まえてプロジェクトを管理することで契約内容や作業範囲を明確にし、仕様の認識違いや課題を早期に把握しやすくなるでしょう。
ただし、プロジェクト管理を依頼する場合も丸投げは禁物です。要件の決定等重要な業務は自社で担い、開発会社と役割を分担しながら進めましょう。
PMは採用と外部活用のどちらを選ぶべき?
PM不足を解消する方法は、採用だけではありません。外部のPMや開発会社の支援を活用する方法も有効です。
両者にメリット・デメリットがあるため、自社の課題やプロジェクトの状況に応じて適切な方法を選びましょう。
短期間でPMを確保したいのか、それとも長期的にPM人材を育成したいのかを整理したうえで判断するのがポイントです。
社内でPMを採用・育成するのが向いている場合
継続的にPMを必要とする場合や複数のプロジェクトを内製で進める予定がある場合は、社内で採用から育成までを行う方法が適しています。
自社の業務や文化を理解したPMを育成できるため、長期的には社内にノウハウを蓄積しやすい点がメリットです。 一方で、採用活動や育成には一定の時間を要します。そのため、すぐにPM不足を解決したい企業には向いていません。
外部のPM活用や開発会社の支援が向いている場合
進行中のプロジェクトでPMが不足している場合や、大規模なシステム刷新など専門的な知見が求められる場合は、外部人材の活用が有効です。
経験豊富なPMが参画することで、進捗管理や課題整理を早期に立て直せる可能性があります。また、開発会社へプロジェクト管理まで依頼すれば、開発と管理を一体で進めやすくなる点もメリットです。
ただし、要件や事業方針の最終判断は自社が担い、役割を分担しながら進めることが重要になります。
PMの採用と外部活用を組み合わせる方法も有効
短期的には外部PMの支援を受けてプロジェクトを安定させ、その間に社内でPM候補を育成する方法もあります。
外部人材からプロジェクトの進め方や管理手法を学ぶことで、自社にノウハウを蓄積しやすくなるでしょう。 短期的な課題の解決と長期的な人材育成を両立したい場合は、両者を組み合わせることも選択肢の一つです。
PM不足で外部人材を活用する際のポイント
PM不足を補うために外部人材を活用する場合は、事前に自社の課題を整理したうえで支援してほしい領域を明確にしておくことが重要です。
自社の課題を整理する
外部人材を活用する前に、自社で何が不足しているか確認しましょう。企業によっても、下記のように課題はさまざまです。
- 進捗管理に手が回らない
- 関係部署との調整が難しい
- ベンダーコントロールに課題がある
自社が抱える課題が曖昧なまま外部のPMを招いても、最適な支援を得られず十分な成果につながらない可能性があるでしょう。
現状を整理したうえで依頼内容を具体化することで、必要な支援を受けやすくなります。
自社のリソースと外部人材の役割分担を明確にする
外部人材を活用する場合、プロジェクトを一任するのではなく自社と外部の役割を明確にすることがポイントです。
例えば、事業方針や要件の最終判断は自社が担い、進捗管理や課題整理、関係調整を外部人材が支援するといった分担が考えられます。
役割が曖昧なまま進めると、判断の重複や責任の所在が不明確になる可能性も否定できません。円滑にプロジェクトを進めるためにも、開始前に担当範囲や意思決定の流れを共有しておきましょう。
開発実績だけでなくPMとしての経験も確認する
外部の人材を選定する際は、開発実績だけに注視しないことがポイントです。PMとしてどのようなプロジェクトを担当してきたか確認しましょう。
仮に開発経験が豊富でも、進捗管理や予算管理、複数の関係者との合意形成などPMに求められるスキルに長けているとは限りません。また、自社と同規模のプロジェクトや業界での支援実績があれば、課題や進め方を理解したうえで対応してもらいやすくなります。
実績だけでなく、どのような役割を担い、どのような成果につなげたのかまで確認すると、自社に適した人材を選びやすくなるでしょう。
PM不足にお悩みなら株式会社BTMにご相談ください
PM不足は、採用だけで短期間に解決できる課題ではありません。プロジェクトの複雑化やDX推進が進む中で、社内育成や業務の仕組み化、必要に応じた外部人材の活用を組み合わせ、自社に適した体制を構築することが重要です。
しかし、下記のような課題を抱えている企業も少なくありません。
- PMを採用できない
- 社内にPMを任せられる人材がいない
- 進行中のプロジェクトを立て直したい
そのような場合は、開発だけでなくプロジェクト管理まで支援できる外部パートナーへ相談することも有効な選択肢です。
株式会社BTMでは、経験豊富なPMによるプロジェクト支援を行っております。お客様の状況や課題を丁寧にヒアリングしたうえで、必要な支援内容をご提案いたします。
「PMが不足してプロジェクトが思うように進まない」
「開発会社との調整に課題を感じている」
「プロジェクト管理も含めて相談したい」
このようにお考えの場合は、お気軽に株式会社BTMまでお問い合わせください。プロジェクトの成功に向けて伴走させていただきます。
